黒曜石生産地・和田峠と砥川
諏訪大社は、諏訪湖の北東に下社の二社、西南に上社の二社があり、成り立ちも歴史もそれぞれで、実に多彩な表情を持っています。
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諏訪大社下社春宮は、黒曜石産地としても有名な和田峠付近を水源として諏訪湖に流れ着く砥川の河岸に鎮座しています。この境内の周辺には、取り囲むように台地があり、その台地上には縄文時代の大集落跡が発見されています。和田峠周辺で採取される黒曜石は日本各地に運ばれますが、その黒曜石ロードの重要な拠点の一つだったのではないかと、私は考えています。
初公開!「小田野駒形遺跡」に鎮座する神社
境内から砥川について、下社の成り立ち…など、いろいろ想像してみてますので、ぜひ本編をご覧いただきたいのですが、せっかくですので、分量的に本文では書ききれなかった部分を、こちらに書いておきたいと思います。
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本文に掲載している地図の右と左に、大きくオレンジ色で遺跡が示されていますね。両地区ともに高台で、現在は住宅地になっています。遺跡があるとはわかりにくいのですが、左側の「小田野駒形遺跡」の方は、ちょこっとだけ、遺跡の雰囲気を味わうことができるんです。
上の地図に青い矢印を書いてみましたが、この道を登って行ってみてください。めちゃくちゃ急坂です。車がひょいと来たりするので、油断なきように…。
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左手の急斜面にお社(水神社)がありますので、まずはこちらにもご挨拶して進みます(鳥居を潜ってもいいのかわからなかったので、鳥居の前で拝礼しました)。
小さくいながら歴史の深い「駒形稲荷神社」
そして坂を上りきると、住宅地〈社ヶ丘団地〉に出ます。そのまま真っ直ぐに進むと左手に、駒形稲荷神社があらわれます。
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小さな社殿ながら、その歴史はかなり遡れそうです。「駒形」というのがこの辺の地名ですが、それは、古い馬への信仰に由来すると考えられます。かつてこの一帯に、朝廷へ献上するための馬を飼育する「萩倉牧」があったそうで、この牧の馬神を祀るために創建されたものと伝わっているそうです。「延喜式」(10世紀)にその名が掲載されているので、その頃には、お社があったのかもしれません。
そして、このお稲荷さんの鎮座する台地上一帯が、「小田野駒形遺跡」ですから、このお社も「縄文神社」と言えます。本編でも、ちらっとでもご紹介しておけばよかったなあ、と後々後悔したのでした。
このお社から、もう少し進んだ位置(住宅と住宅の間)には、ひっそりとこんなものもあります。
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だいぶ新しい石標ですね。最近になって整えられたのでしょうか。復元されているわけではありませんが、このような印がありますと、やはりこのあたりに遺跡があったんだなあと、想像をめぐらすことができますね。
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さらに、万治の石仏の背後にあたる台地の際にそって車道を歩き、先ほどの急坂に戻ってきました。そこからはこのように砥川を見下ろせます。
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晴れやかですねえ。
春宮にお参りの際には、万治の石仏にも足を延ばしていただきたいのですが、もう一カ所、ぜひ駒形稲荷神社にも足を延ばしてみてくださいね。この地形を体感すると、またいっそう、晴れやかな気持ちになるように思います。
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