北関東(茨城、栃木、群馬)の縄文神社。
水の女神が住まうテーブルマウンテン「荒船神社」(群馬県下仁田町)
山上の平地と不思議な湧水
群馬県西部、長野県との県境に位置する荒船山は、いわゆるテーブルマウンテン。山の上に船が載ったかのように見える形は個性的で、まさしく奇峰です。
艫岩
山上にフラットな平地があり、豊富な湧水もあるという不思議なお山で、古来女神の住処として信仰されてきました。上野国一宮である貫前神社の主祭神のひと柱・姫大神は、荒船[続きを読む]
清々しくも可憐な聖地「鹿嶋神社〔玉田町〕」(鹿沼市玉田町)
時代を越えた文化の要衝地・鹿沼
栃木県鹿沼市は、歴史と文化豊かな美しい場所。関東平野各地から、日光へと至る街道の中継点に位置します。面白いもので、街道というのは、縄文の道と重なることも多いんですね。やはり、人が移動するのに適した場所は、時代を越えるのかもしれません。
そんな鹿沼には縄文遺跡も多く、縄文神社もいくつもあります。『縄文神社 関東甲信篇』[続きを読む]
名峰赤城山と縄文以来の聖地「赤城神社〔三夜沢〕」(群馬県前橋市)
群馬県を代表する明峰・赤城山
群馬県には名山と謳われる山がたくさんありますが、中でも赤城山、妙義山、榛名山は上毛三山と呼ばれて親しまれています。
赤城神社はその名の通り赤城山を御神体とする神社で、本社とされる説のあるお社が山麓と山頂に三社鎮座しています。どのお社も素晴らしく、いずれが本社と定め難いのは、お参りすれば納得。そして三社ともに縄文[続きを読む]
母なる名泉が作り上げた水の聖地「泉神社」(茨城県日立市)
有史以来ずっと称えられた名泉がご神体
日立市の海岸からちょっと内側のエリアに湧く、びっくりするほど美しい泉が御神体のお社です。まずはとにかく、こちらの写真をご覧ください!
この泉は古くから有名で、8世紀に書かれた地誌『常陸国風土記』にも「密筑(みつき)の大井」として登場しています。泉は台地の崖下に位置していて、少し高いところに本殿社[続きを読む]
女神の神話が交錯する”下り参道”の名社「一之宮貫前神社」(群馬県富岡市)
不思議な境内配置と下り参道
群馬県南西部の富岡市に鎮座する一之宮貫前(ぬきさき)神社は、下り参道で有名なお社です。
蓬ヶ丘と呼ばれる高台の中腹に鎮座地が造成されているために、下り参道になっているのですが、平安時代の段階で、すでに現在地に鎮座していたことが発掘調査でわかっています。相当に大規模な造成工事が必要だったと思いますが、なぜそんなにも大変な工[続きを読む]
縄文以来の海の聖地カシマ「鹿島神宮」(茨城県鹿嶋市)
関東屈指の名社はやはり…
平安時代に「神宮」とされたのは、全国でも三社のみ。伊勢の神宮、香取神宮、そして鹿島神宮です。そんな屈指の名社である鹿島神宮も、やはり境内や周辺に多くの縄文遺跡が確認されています。
本宮社殿(写真:武藤撮影)
前作『首都圏篇』では、対として語られる香取神宮(千葉県香取市)をラストにご紹介しておりまして、今作ではその流れ[続きを読む]