【いちにちいち縄文神社】(12)荒船神社(群馬県下仁田町)

群馬県西部、長野県との県境に位置する荒船山は、いわゆるテーブルマウンテン。山の上に船が載ったかのように見える形は個性的で、まさしく奇峰です。

艫岩

山上にフラットな平地があり、豊富な湧水もあるという不思議なお山で、古来女神の住処として信仰されてきました。上野国一宮である貫前神社の主祭神のひと柱・姫大神は、荒船山山頂の菖蒲池に天降って、後に貫前神社の地に至ったと伝わります。ほかにも中世以降、様々な神話が伝わりますが、いずれにしてもこの山に降りたのは「女神」だという点は、共通しています。

山上には数か所の湧水点があるそうですが、上の写真の石祠が鎮座する地点の奥にある湧水点から流れ落ちる沢の周辺から石器(石の鏃)が見つかっており、縄文時代にも、この地に信仰があっただろうと想像しています。

それにしても山の上に湧水があるというのは、実に不思議な光景です。しかも水量がとても豊富なことにびっくりしました。縄文の人々も、また中世の人々も、同じように不思議に思ったことでしょう。そしてきっと、水の女神が住んでいるからだ、と畏敬の念を抱いたのではないかと思います。

荒船神社(下仁田町・里宮)

山上にはいくつも石祠があり、下仁田町に鎮座する里宮・荒船神社の奥宮は、たぶん…こちらで、佐久市に鎮座する里宮・荒船山神社の奥宮は、たぶんこちら…。とちょっとあいまい。

実は、下仁田町役場の方にも確認していただいたのですが、「おそらく」という言葉を添えておられました。

そんな様子をうかがうと、古くは山上全体が奥宮で、石祠は修験の行者さんが行のポイントとしてお祀りしておられたものではないかと、勝手ながら想像しました。ですので、そこはあまり突き詰めて考えなくてもいいだろうな、と一人思います。

今回本の方にも紹介したのは、下仁田町側の山麓に鎮座する里宮さん。周辺からはやはり遺跡が発見されています。村の鎮守さんといった趣のお社は、静かでなんとも落ち着きます。

そしてこちらでは、狛犬さんたちにも注目です。古様なカエル顔とぴんと伸びた前足が、かわゆいですよ!

※以前荒船山に登山した時のレポートはこちら

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