発売まであと3日となりました。
予約したよ!というお声もいただき、めちゃくちゃ嬉しいと同時に、皆さんが気に入ってくださるだろうかと、ドキドキしております。編集Yさんが、心配りしてくださったものの、私の間抜けさがそれを凌駕するかも…(涙)。
こんなことを考えていると、良くないことを考えてしまいそうなので、ちょっと矛先?を変えまして、「カバーデザイン」について語ってしまおうかなと思います。
本のデザインって面白いなあ、と思うのは、「紙」という平面的媒体へ印刷する「二次元」なものですが、カバー+帯、本体、見返しといった重層的な構造と、本を開くという動作で、立体的で動的なデザインになるところ。そして、装幀家(ブックデザイナー)の皆さんは、その奥行きや動的構造を縦横無尽に操って、著者の世界を完成させてくださいます。
前作のデザイナー辻中さんも、縄文文化、大地と湧水のイメージを、見事に表現してくださいました。大地から徐々に水が湧きあがって、同時に「縄文神社」の幕も上がる……。そんなデザインで、辻中さんが私が立ち上げた「縄文神社」というコンセプトへ、最大のエールを送ってくださっていると感じ、本当に嬉しかったのです。
一方、今回今作のデザインで、私が最も嬉しかったことは、「今」の奥底に縄文がひそんでいる…といったイメージを、見事に表現してくださったことです。今回のデザインをしてくださったのは、アフターグロウさん。そして、限られた予算の中、編集のYさんと双葉社制作部の皆さんが、紙や色を選んで、造本してくださいました。
まず、タイトル文字に仕掛けをしてくださっています。このフォントはデザイナーさんが造ってくださったオリジナルのもの(とても気に入っております!)。黒く見える奥には、何やら赤いグルグルとした紋様が覗いています。カバーをめくると、そのグルグルとした紋様の全容が現れ、さらにめくると華やかなオレンジ色のトビラが登場するのです。
このオレンジ色が、全編を通して「縄文」、あるいは「奥底のものごと」を表します。
プロローグは、地にオレンジが敷かれていますが、まずは「縄文」について、「縄文神社」というコンセプトについて皆様に知っていただきたいことを簡単にまとめております。ある意味、本書の奥底(基盤)部分にあたるセクションです。
そして、各項の境内図+地図に、今回はできるだけ発見された遺跡の範囲を表すようにしましたのですが、それもこのオレンジ色で表現されています。
それからその流れで、脚注も同じオレンジ色で表現してくださったのですが、出来上がったものを見てみると、光源によってはちょっと読みにくいかもしれないと感じました。
私も50歳になりまして老眼が始まってるので、それもあるのかなと思います。その点は、同世代から上の皆様に申し訳なく思っております。重版できたらもう少し濃いオレンジ色にするか書体を検討しよう…と、編集氏と相談中です。
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好みもあると思いますし、手に取ってくださった皆さまのご感想も、様々だろうと想像しております。でも、ぜひ前向き(?)に、温かくご覧いただけたら、本当に嬉しいです。
最後になりますが、デザインを担当してくださったアフターグロウさんと、編集のYさんと双葉社制作部の皆さんに御礼申し上げます。
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