山梨は、縄文文化を代表する大遺跡がたくさん出土している場所です。超有名どころだけ挙げてみても、釈迦堂遺跡(笛吹市)、鋳物師屋遺跡(南アルプス市)、金生遺跡(北杜市)など、枚挙にいとまがありません。「縄文の美」について語られるとき、それらの遺跡から出土した美しい土器や土偶は必ず登場します。
縄文神社を探している立場からしますと、そのように圧倒的に素晴らしい遺跡の周辺、あるいは重なる形で神社が今も鎮座してたらいいなあ、と思うわけですが、なかなかそうは問屋が卸しません。当然ながら必ず重なるわけではないので、いろんな時代にいろんな方法で、神に祈りを捧げる場所であり続けている場所が事実としてあるということは、やはり奇跡だなあ、と思います。
関東ではそんなことがかなりあるので、その奇跡的な現象に驚き、「縄文神社」というコンセプトにまとめてみたわけですが、山梨を旅してみて、改めてその一致はやはり奇跡なんだな、と思うようになりました。
というのが、「これは縄文神社」と言い切れる神社に、山梨ではなかなか出会えなかったのです。
遺跡が確認されている場所、あるいはその周辺で神社をリストアップして、巡礼してきたのですが、これまで巡ってきた関東や長野とは、だいぶ様相が違いました。特に長野とはかなり似ているだろうと思っていたんですが、地形や状況は似ているのに、ないんですよね…。「そうそう、こういうところにあるよねえ」みたいな、そういうのがなかなかはまらない。
一日一緒に歩いてくれたY編集長も、何度か一緒に歩いてくれたことがあるので、「こういうところにありがち」をマインドセットしてくれてますが、彼もやはり「こういうところにありそうだけどな。諏訪とか世田谷ではめっちゃあったよね…」と、私の困惑を共感してくれました。
とは言いつつ、数は少ないですが、これはすごい!という神社には出会えました! それは素直にご紹介したいと思いますが、山梨県に関しては、これだけ素晴らしい遺跡があり、歴史の深い古社も集落ごとに神社もあるのに、微妙に一致しないという事実について、私なりの推論を考えてみたいと思っています。
やっぱり、実際に現地に行ってみないとわからないもんですね。ほんと、勉強になります。
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